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風の庵(かぜのいおり)
十割蕎麦と赤城の山菜天ぷら

2024.05.28

音を立てて粋に啜ろう

北海道音威子府(おといねっぷ)産の玄ソバを石臼で挽いた十割蕎麦と赤城山で採った山菜の天ぷら。初夏の贅を味わいに、覚満淵近くにある山小屋風のこちらの店へ。もうすぐ6月だというのに薪ストーブが焚かれていました。囲炉裏端の特等席に座ります。

▲薪ストーブの火が優しく揺れています

注文はもちろん、「季節の山菜天ぷら蕎麦」。ズズー、ズッズー。落語に出てくるような蕎麦を啜る音が聞こえてきます。30代くらいの男性でした。「美味しそうに食べるわね」と店員さんに褒められ、「旨いっすから。蕎麦もう一枚」と追加。若いのに粋だな。

自分のも来ました。では、負けずに音を立てて。啜ることで口から鼻へ蕎麦の香りが広がります。

▲囲炉裏端の席が運よく空いていました

「日本一うまい駅蕎麦」で知られる音威子府。駅蕎麦は殻ごと挽くため真っ黒でしたが、こちらは贅沢に一番粉も使っていて黒さは抑えめ。十割とは思えない細打ちで、野趣あふれる中に気品も感じられます。ぼそぼそ感はなく、喉越しのいい蕎麦です。

蕎麦に合わせた汁は上質な鰹や利尻昆布から出汁を取るそうです。蕎麦湯を入れると香りが立ちます。

▲細打ちがいい十割。太いとぼそぼそします

天ぷらはコシアブラやタラの芽など6種類。アカシアの花は蜜のように甘く香ります。山椒の葉はほのかな辛味。鮮やかな緑色は桑の新芽でした。ヒマラヤ岩塩に付けて。赤城山の恵みを堪能しましょう。

▲この日の山菜天ぷら盛り合わせ

▲アカシアの花の天ぷら

▲桑の新芽の天ぷら

▲山菜は時季によって変わります。はんでん草、山ブドウも

求む 暖簾を守る後継者

店は店主の深澤愛子さんが夫婦で始め、ご主人が亡くなってからは自ら蕎麦を打っています。県外からもファンが訪れる人気店になりましたが、体調が思わしくない日もあり、後継者を探しているとか。

「うちの蕎麦を楽しみにしてくれる方がいます。元気なうちに、蕎麦打ちや出汁の取り方を伝授し暖簾を引き継いでほしい」。赤城山の宝、残したいですね。

▲陶器も販売しています

▲食後はオーガニック豆を赤城山の水で落としたコーヒーを

店舗情報

風の庵(かぜのいおり)

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027-287-8415
住所 前橋市富士見町赤城山1-2
営業時間 昼間~星が出るころ
定休日 不定休