二代目とんちゃん
父の焼きそば 復活させました

前橋市中心街に近い住宅地で半世紀にわたって愛された居酒屋「とんちゃん」。店を切り盛りしていたご夫妻がお亡くなりになり、５年前に店仕舞いしましたが、料理好きな娘さん、小玉明美さんが一念発起、昼営業の食堂として3年前に再開しました。

メニューは焼きそばとカレーのみです。その代わり、トッピングがいろいろ。それに、日替わりでお通しをサービスしてくれます。

焼きそばは居酒屋時代の１番人気。麺は同じものが入手できましたが、ソースは長年愛用していたミツビシソースが生産を停止していました。「複数のソースをブレンドしてリンゴや醤油を加え、和風の父の味に近づけました」と苦労して復活させました。

極細の平打ち麺は細くともコシが強く、もっちもち。蒸し麺を中華鍋でさらに蒸し焼きします。ラードは使わず、あっさり仕上げ。ソースもさっぱりです。

基本の焼きそばは昔通り、キャベツのみ。これで十分美味しいのですが、せっかくなのでタコさんウインナーと目玉焼きを付けちゃいました。ウインナーにはマヨネーズを掛けて。半熟の黄身に追いソースして麺を絡ませて。一皿でいろいろ楽しめます。

カレーのちょいがけも頼みました。水を使わず野菜やトマトで作るキーマカレーは明美さんのオリジナル。焼きそばに掛けて味変するのもいいそうですが、ライスも付けてくれましたので、スプーンであーん。うん、次はハーフサイズにしよう。

店内に女優の小玉百夏（もか）さんの写真やサインがあります。何と明美さんの娘さん。遠方から熱心なファンが巡礼に来ることもあるそうです。

厨房にはご両親の写真も飾られています。「昔のように繁盛させて、天国の両親に『店を守っているよ』と報告したい」。明美さんの夢、きっとかないますよ。