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そば処 一路
粋な江戸蕎麦を「群馬盛り」で

2022.12.20

凛とした蕎麦、汁は先だけに

久しぶりに暖簾をくぐりました。屋号は同じですが、店主が変わったそうです。岩手県二戸市産の玄ソバを石臼挽きし、二八で打つとお品書きに書かれていました。

せいろと田舎があります。2人でしたので、一枚ずつお願いしました。

▲洗練された江戸蕎麦。素晴らしい腕です

まずは、せいろを。厨房から氷水で締める音が聞こえました。裏返しされたざるに盛られてきます。浅草の並木藪蕎麦と同じです。水がよく切れますね。

きれいに細く切り揃えられています。新蕎麦です。まずはそのまま。馥郁たる香りがうれしい。

▲「濃すぎる」とお𠮟りを受けることもあ るとか

汁も薮ほどではないですが、かなり濃いめ。粋な江戸蕎麦です。ちょこっと付けて威勢よく啜る。

風味と香り、噛み応えある田舎

田舎は温かい汁の舞茸せいろ。殻付きのまま挽くので黒くて太め。舞茸の味が染みこんだ汁にたっぷり付けて。せいろとは対極な野趣あふれる味です。

大きな舞茸の天ぷらが4個付いてきます。半分は塩でいただき、残りは汁に浸して。油が溶け出し、コクが増します。いよいよ旨い。

▲黒光りする田舎。違いを楽しみましょう

▲大きな舞茸。一番大きいのを仕入れます

蕎麦湯をいただきます。開店早々なのに濃い。聞けば、前日茹でた湯の濃い部分を加えるとか。舞茸の汁に入れると、プーンといい香り。

新店主の宮内譲二さんは沼田市の出身。都内の名店で修業し、縁あって2年前にこの店を引き継ぎました。蕎麦も汁も江戸蕎麦ですが、違うのが量。「群馬盛りです。並で茹で前170㌘から180㌘。まあ、多くて文句を言う人はいませんから」。小盛りは200円引き。この気概、あっぱれです。

▲江戸東京そばの会に所属する宮内さん

▲気品ある店構え。美味しさが想像できます

店舗情報

そば処 一路

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027-265-0721
住所 前橋市ぬで島町131-4
営業時間 11時30分~14時30分
定休日 月曜、祝日