【前橋500円グルメ探検隊▶16】
焼とり源ちゃん

　前橋市中心街を南北に走る八展通り沿いに昔からあります。「源ちゃん」と呼ばれる、いかつい親父さんがいるのかな。と、ずっと気になっていて、常連のFさんに連れて行ってもらいました。

　カウンター６席ほどの小さな店です。予想に反して、店主は元気で気風のいい女性でした。「源ちゃん」は店を始めた父親の愛称とか。

　Ｆさんの相棒のＹ君が勝手に生ビールを注いでくれ、乾杯します。お通しはガツ刺しと煮物。いい感じです。Ｙ君は煮物をお替りしていました。

　お品書きにはタン、ハツなど６種類が書かれています。１本100円。5本食べてワンコインです。

　「20年以上前に80円だったのを値上げしてからずっと100円。書き直すのが面倒くさくてさ」。そうですか。

　「一通り焼いてね」とFさんが注文すると、「あるものしか焼けないよ」。まあ、そうでしょうね。

　年季の入った焼き台で焼とりを焼いていきます。炭の位置を時々変え、巧みに団扇で仰ぎます。

　まずは、ハツとカシラの塩が出てきました。焼とりとありますが、焼とん。豚肉です。

　ハツはサクッとした食感が最高。カシラは噛むほどに旨みが口の中に広がってきます。いい焼き加減ですね。肉が素晴らしくジューシーです。

　モツはホルモンのタレ焼きでした。脂が乗って肉厚でトロトロ。超辛口のタレがモツの旨さを十分に引き出しています。このタレは絶品ですよ。

　源ちゃんは70年ほど前、屋台で始まりました。現在地に店を構えたのが1966年。まもなく還暦を迎えます。常連さんの聖地のようですが、近くのホテルに宿泊するビジネスマンの間でも話題とか。レトロな前橋を堪能するのにいいのでしょう。

　Fさんのお薦めはすいとん。〆は決まりですね。でも、その前に焼酎を飲りながら、もう少しつまみますかね。