拉麺　しのざき
入魂の全粒粉入り麺にうなる

麺を茹でている間、店主の篠﨑誠さんの目は厳しくなる。麺揚げは慎重にしっかりと。「何カ月もかけて、何度も作り直して完成した」という入魂の麺だけに、一杯にかける気合の入れ方が半端ない。

４種類ある夏季限定の冷たい麺から基本の「スープの冷たいラーメン」と名前で決めた「あの冷やし火の玉」を選びました。

まず、基本から。スープは動物系、魚介系の出汁の効いた醤油味。あっさりした蕎麦汁に近い感じで、麺を引き立てます。

全粒粉の中細ストレート麺は冷水で締められ、たまらない歯応え。蕎麦もそうですが、冷たい麺の方がくっきりし、のど越しがよくなります。具は分厚いチャーシューと10㌢ほどありそうな穂先メンマ。チャーシューは直前に炙って提供されます。メンマはシャキシャキして実にいい食感です。

「あの」は想像した通り真っ赤。ラー油がたっぷりかけられています。辛いけど、尖った感じはなく、まろやか。「追いラー油」しちゃいました。唐辛子の小さな塊が絡む麺は四川風で刺激的。こちらには「火の玉」に見立てた煮玉子も入っています。

どちらもおろしショウガがたっぷりあり、これを溶かしながら食べると清涼感が増します。後半には酢を投入、さらにさっぱりさせましょう。夏季限定ですが、レギュラーメニューになりませんかね。