gourmet
食べたい
あくざわ亭
復活 オリオン通りの味
2021.08.09
極太のゴワゴワした麺は噛みごたえ十分。焦げた部分と柔らかな部分が混ざり合う。ソースは前橋産の「ミツビシ」。ラードの香りが漂う。キャベツと豚肉、それと薄焼きにした卵焼きが入っている。間違いない。これぞ、「あくざわ」の焼きそばだ。
張られたチラシに「閉店」
オリオン通りの入口に店はあった。テーブル一つだけで5人入れば満員御礼。元気なおばあちゃん、阿久沢登志江さんが焼いていた。創業は昭和20年ごろ。平成10年、突然閉店した。
「何の予告もなく、『閉店』と書かれたチラシが玄関に張られていただけ」。中学時代から市内の焼きそばを食べ比べし、この店にぞっこんだった高橋英男さんは大きな衝撃を受けた。
「もう一度食いたい」の一念で記憶を頼りに再現を試みた。まず、家族に食べさせ、次は職場であった前橋市役所の同僚に振舞った。建設部長はいつしか「焼きそば部長」と呼ばれた。
「麺の下処理が最大のカギだった。だれにも教えていなかったから苦労したね」。何度も試行錯誤した。「あくざわの味になったな」と思えるようになった2018年7月、前橋テルサ近くに店を出した。
「まだ、満足していない」
かつての常連さんが訪れ、「これ、これ」と懐かしむ。若い客は素朴な味が新鮮そう。満足そうなお客さんの顔を見ながら、「うれしいけど、満足していない」と高橋さん。「まだ、100%じゃない。自分が一番分かっている。研究の余地はあるね」。あくざわの味を求める旅はまだ続く。
店舗情報
あくざわ亭
- お問合せはこちら
- 027-235-1530
住所 | 前橋市千代田町2-1-21 |
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営業時間 | 11時~14時 |
定休日 | 日曜、月曜 |
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