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すかや本店
ありがとう この蕎麦忘れません

2024.01.30

1月末で193年の歴史に幕

最後の一杯。心して食します。1830(天保元年)創業の蕎麦店、すかや本店が1月31日で193年守り続けた暖簾を下ろします。

「ざるを熱い汁で。かき揚げを1つ付けてください」。立ち食いのカウンターに陣取り注文します。

冬場はいつもこれか、「あったかいの半分」。たぬきの揚げ玉を半分にする代わり、海苔が加わった裏メニューです。悩みましたが、最後は蕎麦の味をしっかり記憶に刻むため冷たい麺に決めました。

▲常連に人気の「あったかいの半分」

▲蕎麦も海苔も大盛りの普通盛りのざる

40㌢ある中細ストレートの麺。厨房を仕切る須賀良二さんが早朝から製麺する独特の長い麺を汁に付けて音を立てて啜ります。北海道産とタスマニア産のブレンド。喉越しがいいので一気に啜れます。

最初は蕎麦と海苔を入れて花巻に。海苔と出汁の香りがプーンとしてきます。醤油は創業以来、ヒゲタの濃口。出汁は宗田鰹で取ると聞きました。

▲海苔の香りがいい花巻は好きな種物

▲素朴さがいいかき揚げ

▲天ぷら蕎麦の出来上がり

続いてはかき揚げを入れ、天ぷら蕎麦にします。ネギの青い部分にわずかにサクラエビが入った素朴なかき揚げ。だけど、どんな豪華な天ぷらよりこの蕎麦に合います。

ネギと七味をたっぷり入れて

油が汁に溶け出し、いよいよ旨くなります。卓上のネギを遠慮なく入れ、七味もたっぷりと。あー、しみじみ旨い。蕎麦湯をもらって余韻を楽しみました。

冷水器で水を注いでいると、忙しく釜場に立つ須賀さんと目が合いました。「ごちそうさまでした。美味しかったです」。「ありがとう」。一瞬、手を休め、頭を下げてくれました。感謝の言葉を口にできて、よかった。

「すかや本店」閉店の記事はこちらからどうぞ↓

すかや本店 1月末で店仕舞い スズラン高崎店地下の人気蕎麦店(K)

▲温かい種物用に蕎麦を温める須賀さん

店舗情報

すかや本店

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027-326-2177
住所 高崎市宮元町13-1(スズラン高崎店地下1階)
営業時間 10時~19時
定休日 不定休