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食べたい

手打うどん 大黒屋
熱い種物でもコシは強い

2023.11.21

初めての山菜は旨かった

通い続けて40年。最後にカレーうどんを食べたのは20年ほど前か。ずっと海苔付きのざるです。太い青竹で打たれた不揃いの武骨なうどんを揚げ玉が入った温かい汁に付けて豪快に啜ります。でも…。

「きょうも普通ざる?」。入口で顔なじみの店員さんに聞かれ、周りに聞こえないよう小さな声で「山菜にして」。「温かいよ」と念を押す店員さん。「はい」。 前例踏襲を改め、チャレンジします。

▲冷たい山菜もあればうれしい

「山菜うどん、おまちどうさま」。隣の人が覗き込んできました。珍しかったんでしょうね。

太く立派なナメコやワラビ、フキなどの水煮がたっぷり入っています。油のない汁は初めて。もちろんですが、つけ汁より薄味で鰹節の香りを強く感じます。これはいい経験でした。

うどんは熱い種物でもしっかりコシがあります。熱で柔らかくなるほどヤワではありませんね。

天ぷらうどんに“衣替え”

▲天ぷらは売り切れ御免。12時前に行きましょう

ゴボウ天とかき揚げをもらいました。後半は天ぷらうどんにする作戦です。硬めの天ぷらに汁が染みて食べごろになり、天ぷらの油が汁に染み出し汁にコクが加わります。ますます旨くなりました。この素朴さこそ、上州うどんの魅力でしょう。

▲野菜天ぷらうどんの出来上がり。天ぷらは上はサクサク、下はしっとり

帰り際、うどんの打ち場でご主人の吉田幸男さんがうどんを切っているのが見えました。奥さまの美代子さんは相変わらず釜場で忙しく働いています。

美代子さんのお父さんが高崎で店を始め、現在地に移ってからも半世紀近く経っています。「前橋の至宝」と勝手に認定しています。

▲いつものオーダー。ざるの普通盛りにごぼう天

▲この武骨なうどんのファンは多い

店舗情報

手打うどん 大黒屋

お問合せはこちら
027-224-0961
住所 前橋市六供町840-4
営業時間 11時~13時45分
定休日 日曜、祝日