あおい食堂
気配りがうれしい人情食堂

お母さんの青井明美さんが接客と配膳、娘さんで店主の浩美さんが調理を担当します。愛想のいい母娘で切り盛りする家庭的な食堂です。

日替わりの「さわらの粕漬け」にしようか。一瞬、悩みましたが、結局はいつものやつ。「メン・コロください」。メンチ・コロッケ定食です。

決まりでもあるのでしょうか。メンチは丸、コロッケは楕円。肉屋さんもそう。逆はみたことない。

この店の両者、形だけでなく中身もだいぶ違います。コロッケはほとんどジャガイモでふわふわ。メンチはこれでもかというくらい肉肉しいです。これがいいんですね。中途半端はよくない。

キャベツの千切りにポテトサラダとマカロニサラダのミックス。自家製のお新香に小鉢は切り昆布、ニンジン、大豆の煮もの。美味しい。食堂の評価って、案外こういう小物で決まるのかもしれません。

丼のご飯にダイコンの味噌汁。ほっとします。

焼きそばやラーメン、カツ丼も人気ですね。若い人が焼肉定食をご飯大盛りで食べている姿をみると、何だか頼もしい気がします。

戦前は熊野神社近くで天丼の店、戦後は焼きそばと焼きまんじゅうの店。現在地に移り、食堂となったのは1966（昭和41）年から。歴史があります。

「毎日のように通ってくれる常連さんもいます。家庭的な味で、飽きさせないよう、旬の食材を使って小鉢や味噌汁も変えています」と浩美さん。こういう気配りも味のうちです。