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蕎麦処 東郷
優しい味です 塩たぬきうどん

2023.05.09

中央通りに残る一世紀蕎麦店

中央通りにある唯一の蕎麦屋さんです。1909(明治42)年の創業。日露戦争のすぐ後だけに、バルチック艦隊を撃ち破った連合艦隊司令長官、東郷平八郎にあやかった屋号かもしれませんね。

4代目の早川博さんは伝統に縛られることなく、斬新なメニューを次々に考案してきました。「一休」はすり鉢ですったゴマに味噌、出汁を加え、シソやミョウガを入れた爽やかな夏の逸品。「山路」は野菜たっぷりの中華餡掛けで冬に人気でした。

▲肉汁などつけ麺も早くから始めた

▲アイデアマンの4代目、早川さん

厨房に立つのが1人だけになり、アイデアメニューは姿を消してきましたが、いまでも残っているのが月見、たぬき、きつねを合体させた十三夜とうどんのみ提供する塩たぬき。醤油主体のカエシが基本なのに塩味とは珍しい。頼んでみますか。

▲塩たぬきうどん。たぬきの油が隠し味

澄んだ汁は関西風のうどんより透明です。塩だから当たり前ですか。まずは汁から。旨い。これはありですね。鰹節などで取った出汁の旨みがダイレクトに感じられます。醤油のきつさがなく、優しい味。二日酔いに最高でしょう。

中細で平打ちストレートのうどんはつるつる。人気のカレーにも合いますが、これにもいい。

具はインゲンとナルト。そして、主役のたぬき、揚げ玉が素晴らしく美しい。「天かすではなく、専用に作った揚げ玉ですね」。そう聞いたら、「分かってくれてうれしいよ」と笑顔で答えてくれました。

冷やしの汁 謎を解こう

5月に入り、冷やしメニューも登場しました。冷やしたぬきに冷やしなめこ。汁の隠し味にショウガとゴマ油、それに「絶対に内緒」のあるものが入っているそうです。この夏こそ、秘密を探ろう。

▲冷やしのツートップ。たぬきとナメコ

▲ご主人は県庁前にあった高砂庵で修業した

店舗情報

蕎麦処 東郷

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027-231-3611
住所 前橋市千代田町2-7-16
営業時間 11時~13時30分
定休日 水曜