松葉屋
「優しい悪魔」のような四川風

唐揚げやもつ煮、とんかつなどの定食に付いてくる小ラーメンがあまりに美味しかったので、食堂なのにラーメンを食べに来ました。実はラーメンだけで13種類もあるんですね。

昭和男の私は王道のラーメン。具はチャーシュー、メンマにワカメと至って地味。特に個性があるわけでもない。でも、旨いんだな、これが。

スープは鶏ガラや豚骨、野菜や煮干しで取ったのでしょうか、昔ながらの支那そばにコクを加えた感じ。カエシがやや強めなのも名残でしょう。

麺は中太ストレート。池袋に昔あった大勝軒に似ています。濃いスープに負けない強さがあります。

さて、平成男の相方はショーウインドーの食品サンプルに強烈な印象を受け、四川風みそラーメンなるものを注文しました。確かに異彩を放っていた。

出てきたのは地獄の池のように真っ赤。激辛か。心配そうなわれわれに「大丈夫ですよ。優しい辛さですから」と女将さんの村松妙子さん。

４種類の唐辛子を使った自家製ラー油は「見た目とは裏腹に破壊的な辛さはなく、十分に旨みを感じられる。甘みさえある」とか。

軽い餡かけに入っているのは豚肉とザーサイにタケノコ。これがスープに絶妙に合う。これまで出会ったことのない独特のラーメンだったそうです。

厨房では３代目の俊郎さんと４代目の勝俊さんがせわしく注文を捌きます。家族３人、常連の熱い期待に応え、暖簾を守っています。