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【グルメ散歩⑦】飲み屋天国・新前橋  
角打ちから始まるはしご酒

2026.02.23

【グルメ散歩⑦】飲み屋天国・新前橋  
角打ちから始まるはしご酒

 JR新前橋駅周辺は歩くほどに店が現れる“飲み屋天国”。串焼き激戦区でもある。ゼロ次会で軽く一杯、次の灯りへまた一歩。気づけばもう一軒――。
(取材/阿部奈穂子)

まずは高橋与商店で0次会

 JR新前橋駅のロータリーにある酒店「高橋与商店」から今宵の一歩が始まる。店の一角には立ち飲みできるスペースがあり、仕事帰りの人やこれから飲みに向かう人がふらりと立ち寄る。

▲飲み比べができる(高橋与商店)

 季節ごとのおすすめ日本酒を試飲感覚で味わえるのが魅力。一杯60㍉㍑200円。用意された8種類の中から選ぶ時間も楽しい。酒のアテは乾き物が並び、いぶりがっこチーズとバリバリしいたけを手に取った。軽く一杯のつもりがつい二杯、三杯。いやいや長居はよそう。角打ちはこれから続くはしご酒への助走だ。

▲美味しい日本酒を美味しい温度で(高橋与商店)

串焼き激戦区へ 4軒それぞれの顔

 新前橋は串焼きの密度が高い。予約必須の人気店「ねぎぼうず」。名物のレモンサワーは“シャリキン”。キンミヤ焼酎をシャーベット状に凍らせ、サワーと合わせる。氷と違って薄まらない。豚が主力の串焼きは骨太で、タンの根元のタンザクにはサルサソース。厚めのレバーはぎりぎりの焼き加減で、ネギとゴマ油を添える一仕事が光る。

▲シャリキンのレモンサワー(ねぎぼうず)

▲タンザクのサルサソース(ねぎぼうず)

 半世紀の歴史を持つ「鳥松」も焼きとんの名店。串は一番上の“兄さん”が極めて大きく、ネギを挟んだ“弟たち”は小ぶり。兄で食べ応えを楽しみ、弟で余韻を味わう。〆は名物と言っていい焼きそば。細麺をしっかり焼き、皿の下に忍ばせたウスターソースを好みで絡めていただく。

▲鳥松の焼き鳥

▲〆は焼きそばで(鳥松)

 「串もん」は月曜から木曜、18時30分までに入店すれば“せんべろ”が楽しめる。アルコール2杯にお通し、串焼き2本か唐揚げ2個が付く。特上シロは「これを出したくて店を開いた」と主の村山裕さんが語る名品。

▲せんべろを楽しめる串もん

 駅から一番近い飲み屋が「のらごりら」。串焼きは一本一本、炭火で丁寧に焼き上げる。駅前のざわめきの中で、炭の火を見つめながら杯を重ねる時間が心地いい。

▲品のいい焼き鳥、のらごりら

名物料理で流れを変える

 串焼きの余韻を引きずりながら立ち寄りたいのが、路地裏にある隠れた名店「十力勝」。名物のマグロの脳天刺しは脂が甘く、ひと口で酒が進む。長万部産のホタテや鶏せせり焼きなど、肴の一品一品に味があり、ここで夜のギアが一段上がる。

▲まぐろの脳天刺し、一度は味わいたい(十力勝)

 暖簾を上げて80年以上の老舗「寿司 大黒」は、昼は食堂、夜は寿司屋兼居酒屋。カウンターで口の悪い店主と軽口を叩きながら寿司をつまむのがこの店の流儀だ。実はタンメンもおいしく、はしご酒の途中にほっとする一杯になる。

▲大黒の海鮮丼もおすすめ

 大阪の屋台を思わせるのが「剣々」。イカ焼きの香ばしい匂いが通りに広がり、軽やかな粉ものが串焼きとは違うリズムを生む。焼き鳥、寿司、イカ焼きとジャンルが混ざり合い、歩くたびに夜のリズムが変わる。

▲イカ焼きで一杯(剣々)

イタリアンからトレーラーバーで締める

 少し落ち着きたくなったら「サポーリ ディ ノモト」へ。おいしいイタリアンとワインセラーに並ぶ豊富なボトルが魅力。さらに「葡呑(ぶのん)」では窯焼きのナポリ風ピッツァを。高温で焼き上げた生地の香ばしさに、駅前にいながらどこか旅情が漂う。

▲ノモトのワインセラー

▲生地がおいしい葡呑の窯焼きピッツア

 最後は「SHINMAE-BASE」。小さなトレーラーハウスが厨房兼カウンターになり、ここでいただくのは一押しのトロトロハイボール。ウイスキーはサントリー角、ブラックニッカ、ホワイトホースから選べる。注文すると冷凍庫からボトルを取り出し、45㍉㍑と通常の1・5倍のウイスキーにキンキンに冷えた180㍉㍑瓶の炭酸を丸々1本入れて完成する。

▲SHINMAE-BASEでは笑顔のマスターがお出迎え

 さて、帰ろうか。タクシーを拾おうとロータリーへ向かう。けれど、ふと横を見るとまだ灯りが残っている。「もう一軒だけ」。そんな気持ちにさせるのが、新前橋の夜だ。

 ※飲食店の情報は取材当時のもの。営業時間やメニューの価格変更の可能性あり。

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