interview

聞きたい

【聞きたい香川誠さん2▶︎】
オートバイ、酒、ロック 香川誠さんに聞く

2022.05.03

【聞きたい香川誠さん2▶︎】
オートバイ、酒、ロック 香川誠さんに聞く

高校時代に出会った香川誠と奥野敦士。バンドを組み、メジャーデビューした。方向性の違いから、けんかして解散。再結成の話が持ち上がったとき、奥野を悲劇が襲った。事故により、首から下が不随になった。力強かった声を失った。でも、男たちはあきらめなかった。23年の空白を経て蘇った。不屈のロックバンド。その名は「ROGUE」。

音楽の動機は「カッコいい」

―香川さんが音楽に目覚めたのはいつでしょう。

「小学校の高学年のとき、おじさんがギターやっていて、内緒で触っていた。耳で音を探っていた。ベンチャーズとか聴くようになりましたね。

中学になると、不良っぽい女の子が洋楽の本を持ってきて、ロックスターの写真を見ていた。カッコいい。じゃあ、やるかな。

おとなしそうな女の子はフォークが好きだという。じゃあ、フォークもやるか。動機はそれ。カッコいいと見えるかです。

エレキは音を立てずに演奏できるので、部屋で何時間も演奏していても、親からは『誠はよく勉強やっているな』と思われていた(笑)。

Charが世の中に出てきて、すごくカッコよかった。耳に羽根のイヤリングをするんですね。真似して鏡をみたら愕然とした。野球部だったので坊主頭。似合わないよね(笑)」

―本格的に演奏するのは高校に入ってから?

「新島学園は当時、私服だった。Gパンも大丈夫。髪型もうるさく言われなかった。2個上の布袋(寅泰)クンは髪の毛があまりに長過ぎて注意され、「イエス様も長いじゃないか」と食って掛かったけど(笑)」

女子高生目当てに群がる男

―ライブもしましたか?

「前橋市内のカワイ楽器で2カ月に1度、アマチュアコンテストがあって、同級生と組んだバンドでそれに出ていた。

仲間が増え、不良のカルチャーに染まっていった。高2からオートバイに乗って、酒飲んで。「パブゴールド」とか、よく行きましたね。ステージで演奏もした。もう、時効でしょ(笑)。

前橋の街中は活気があったな。デパートもあったし、女子高生が街中にくるから男どもが群がって。いまじゃ考えられないね」

かがわ・まこと 

1963年6月生まれ。南橘中-新島学園高。82年、奥野敦士とともにROGUEを結成、85年、メジャーデビューを果たす。89年、日本武道館で単独ライブ。90年に解散、ベースの西山史晃、ドラムの深沢靖明とともにKNiFeを結成する。2013年、ROGUEを再結成、チャリティーライブ「GBGB」を始める。