お切り込みにイノベーション
名月舘

赤城大沼の湖畔は飲食店や土産店が軒を連ねています。看板でよく見かけるのは「忠治」と「お切り込み」。まあ、確かに名物ですけど。若い世代は国定忠治を知らないし、こう暑くっちゃ、お切り込みもな…。と流していたら、見つけましたよ。

「特製冷やしぶっかけ切り込みうどん」の看板。さて、どんなだろう。いざ、注文―。

彩りがきれいですね。雪のような白いトロロに4種類の夏野菜の天ぷらが手前にどんと。奥は山菜にワカメ、キンピラゴボウ。中央はかつお節と海苔、おまけにナルト。どこから食べようか。

揚げたてのオクラの天ぷらをサックリと。続いてうどん。幅１㌢弱で薄のしはぶっかけ用の特注です。冷たい天然水で締められ、コシがあり、喉越しも最高。具とともに汁に絡ませていただきます。

山菜のさわやかさ、キンピラの刺激、トロロの粘り。天ぷらの衣が溶け出した部分はコクが加わります。さっぱり食べられ、栄養的にもよさそうです。

相方は「カレー切り込み」。分かります。夏こそカレーですね。グツグツ音を立てて鉄鍋で登場。

こちらも具だくさん。鴨肉と揚げもち、お揚げも加わります。カレーのルーに入った粗挽き肉とニンジンもゴロゴロ。辛味噌が別に添えられ辛さを調整できます。うどんは２㌢ほどの幅広で厚のし。チーズライスにカレーをかければカレー丼の出来上がりです。

上州の伝統食、お切り込みにイノベーションを起こしたのは3代目となる藤生真稔さん（29）。「名物を活かしながら、美味しくて映える、湖畔の新名物となる料理で勝負します」。気合を入れ、新たな構想も話してくれました。