gourmet
食べたい
大間のマグロと旬の魚
カウンターに置かれた日本酒のラベルは「あべ」。「新潟・柏崎の酒。米の旨みと酸味のバランスを追求したクリアな味わいです」。一人で店を切り盛りする店主、茂木一八さんが絶賛します。店名にした名は「かずや」と読みます。「あべ」「かずや」か。

▲1804年創業の新潟の酒蔵の意欲作
つまみと寿司を楽しめる特選コースをお願いしました。まずは刺身の3点盛り。「マグロは大間。築地の仲卸から仕入れています」。すっきりして最高の赤身。ハタの上品な旨み、活タコの食感も素晴らしい。

▲厚めに切ってくれた大間のマグロ

▲酒好きにはたまらないつまみばかり
続いて、小鉢が3点来ました。白子ポン酢、アンキモに塩辛。これは酒を盗みます。2杯目は地元の地酒「聖」。澄み切った飲み口です。つまみも盗みます。
焼き物はギンダラの西京焼き。濃厚な味が料理の流れにアクセントを与えてくれます。

▲聖酒造の「聖」。特約店限定です
テンポよく1貫ずつ
肴と酒を堪能したら、寿司の出番。福井県の「紗利」を薦められました。「寿司に合う純米大吟醸」はすし飯を表す「シャリ」から命名されたとか。
いきなり度肝を抜かれました。カクテルグラスで登場したのはウニとイクラの寿司。スプーンでいただきます。何という贅沢。シャリは赤酢でした。

▲ウニとイクラの共演。先頭打者ホームランみたい
続いてはコウイカ。塩とカラフルなゴマがかかっています。食べやすいよう隠し包丁が施されています。
車海老、キンメの炙りを挟んで、中トロが登場。いずれも煮切りが塗ってあり、シャリは小ぶり。そのまま一口で美味しくいただけます。

▲カラフルなゴマを振ったコウイカ

▲尻尾まで殻を処理した車海老

▲キンメの炙りも塩で

▲中トロは煮切りが染みやすいよう隠し包丁入り
もう少し飲みたくなり、「町田酒造」のにごりを。かすかな炭酸とにごりの二重奏を楽しみます。
宮城の赤貝は身が厚く、色艶、香りもよし。
7貫目、トリはノドグロの炙りでした。皮目から溶け出す脂を柚子胡椒と塩がさっぱりさせてくれます。
ハマグリのお吸い物をいただき、名残惜しいですが、今宵の宴は幕を閉じました。

▲ふっくらした赤貝は宮城産

▲高級魚のノドグロで〆

▲高校時代から寿司の世界に入った茂木さん