GRASSA(グラッサ）
ポートランド発、前橋風イタリアン

レンガ造りの瀟洒な建物が並ぶ中央通りの一角。米国ポートランドで人気を集めるハンドクラフトパスタ店の日本初進出の店がある。珍しい造りで、1階は厨房。客席は2階にある。

ランチは日替わりを含め7種類のパスタを楽しめる。「イカスミを練りこんだキタッラ」にも心を奪われたが、ここはオリジナルという「目玉焼きカルボナーラ」をサラダ・ドリンク付きのセットで。

まもなく配膳されたのは確かにオリジナルだ。皿の下にホワイトソース。この上にマカロニを細長くしたようなブカティーニが盛られ、頂上に半熟の目玉焼きが添えられている。まずは、パスタをソースに絡めて。パルメザンたっぷりですごく濃厚。豚バラ肉の塩漬け「パンチェッタ」の香ばしさが加わり、ブラックペッパーがいいアクセントになる。

さあ、目玉焼きを崩そう。黄身が溶岩のように溶け出してパスタに流れる。白身は固まっていて、ソースに加わるのは黄身だけ。さらに濃厚に味変する。これはよく考えた一品だ。

オーナーシェフの澤井雷作さんは東京都町田市の出身。縁があって前橋で開業した。最初はキッチンカーで市内を回った。仮店舗を経て、3年前に現在の店を構えた。

「しっかりした料理をカジュアルに食べてほしい」と手作りにこだわる。パスタは店で毎朝作る。パンチェッタもそう。ベーコンで代用する店もあるが、きちんと本物を提供する。そして、大事にしているのが、安全で美味しい地元の食材だ。

ポートランド発でありながら、前橋風にブラッシュアップさせている。