青龍
珍満のニララーメンを継承

「珍満」という町中華の名店がありました。国領町の国道17号や若宮町の赤城県道に店を構え、一世を風靡しました。何を食べても美味しい店で、ことにニララーメンは絶品。珍満はなくなりましたが、味はしっかり継承されています。

石井県道にあるこちらの店もその一軒。珍満の味を守りつつ、独自に進化させています。

ニラの青が隠れるような茶色の餡かけがたっぷり。下に隠れた麺を引き出す際には結構な力が要ります。

醤油ベースのスープは辛味と甘味、酸味のバランスが絶妙です。ほんのりとショウガとニンニクの香り。あー、しみじみ旨い。

どこが進化系か。具材にあります。細切りの豚肉、タケノコ、シイタケがあり、青椒肉絲のよう。キクラゲ、タマネギ、ニンジンもあり珍満のニララーメンより具だくさんですが、それでいて決して主役はニラであることを忘れず、しっかりと盛り立てています。

麺は中太でやや縮れがあります。とろみのあるスープが絡む、絡む。最高の愛想です。

後半はラー油と酢をたっぷりと投入、酸辣湯麵のようにします。こうなるとご飯がほしくなりますね。

都内の中華料理店で修業した先代が地元で独立する前、ラーメン類を習うために珍満で働いたそうです。「娘娘飯店」の屋号で長く親しまれ、12年前に跡を継いだ２代目の今井達也さんが本格中華に力を入れ、屋号を変えました。

それでも、町中華に1000円プラスで本格中華を味わえます。「娘娘飯店が店の原点。特に人気のあったニララーメンは唯一、『娘娘特製』の冠を付けています」と先代から引き継いだ味を守っています。