gourmet
食べたい
蒲焼もご飯も客の顔を見てから
注文を受けると、愛知・一色産のウナギを裂き、蒸してから、備長炭でじっくり焼き上げる。絶妙な団扇使い。脂が炭に落ちると煙で燻されます。
1世紀継ぎ足してきた家宝のタレにくぐらせ、再び焼きに入る。これを2度繰り返し蒲焼ができます。
昔ながらの作り方に3代目店主、大藤勝也さんはこだわります。「見込みで焼いておいて、お客さんが来たら待たせずに提供する。そんなことはできません」
奥さまの靖江さんが担当するご飯も同じ。お客さんの顔を見てから、使い古した羽釜の前に立ち、火加減に神経を集中させます。「近くの平野屋米穀店さんにお任せしている一番美味しいお米」を硬めに炊き上げます。
蒲焼の匂いが客間に流れてきて、お腹が鳴りそう。しばし我慢すると、「お待ちどうさまでした」。漆塗のお重が置かれました。蓋を取る瞬間、最高に幸せな気分ですね。
辛口のタレ、すっきり味わえます
鰻はふっくら柔らか。それでいて弾力を感じます。タレは辛口。甘みはわずかに感じられる程度。自分が食べ歩いた群馬県内の鰻屋さんで最もすっきりした味だと断言できます。
硬めのご飯がまたいい。タレが掛かってもべとつきません。これぞ江戸前の鰻重でしょう。
そして、忘れられないのが箸休めにつまむぬか漬け。88歳になるお母さん、喜代子さんが愛情込めて漬けています。このお新香で日本酒を飲むべきでした。
「タレは好き嫌いがあるでしょう。甘めが幅を利かせてきましたが、うちの味を気に入ってくれるお客さんのためにもこの味を守ります」と3代目。
時間に余裕がない方は予約をお薦めします。
店舗情報
古久家
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- 027-221-2977
住所 | 前橋市本町2-11-6 |
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営業時間 | 11時~14時、17時~19時 |
定休日 | 3、4、13、14、23、24日 |