辰巳庵
寿司と蕎麦、それだけではない 　

美味しい寿司と蕎麦をいただけると聞き、やってきました。どちらも大好物です。

寿司セットはにぎり４貫に蕎麦かうどん、サラダと香の物が付きます。

うれしい誤算です。お品書きの写真ではマグロは赤身でしたが、出てきましたのは何と中トロ。「ネタは仕入れによって変わります。中トロが入ればお出しします」と二代目のご主人、長井重和さん。いい日に来ました。うん、脂が乗っていて旨い。

寿司は他に蒸しエビ、タイ、玉子。ネタは大きめ、シャリも大きめ。つけ場でのご主人の仕事を見ていましたが、注文を受けてから、マグロやタイを柵から切り分けていました。ランチの場合、事前に切っておく店が多い中、真摯な姿勢がうれしいですね。

誤算といえば、蕎麦もそう。正直言ってあまり期待していなかったのですが、素晴らしい出来です。細く切りそろえられ、喉越しもいい。ご主人自ら手打ちするそうです。蕎麦、うどんのメニューは21種類もある本格派。寿司と蕎麦の二刀流ですね。

ところが、それだけではなかった。ハンバーグやカレー、チャーハンも作ります。出前では大きなオムライスが人気でした。

店は1969年、都内の寿司店で修業した先代と蕎麦店で修業した先代の弟さんが力を合わせて開きました。ともにお亡くなりになり、二代目を中心に家族で暖簾を守っています。

「地域の人に親しまれる店にしたい。地道にやっていくだけです」。控えめな言葉に好感持てます。