gourmet
食べたい
麺打坊(めんうちぼう)
この夏で食べ納め絶品「冷や汁」
2021.07.27
挽きたて、打ち立て、茹で立ての蕎麦を粋に啜る。極細に切りそろえた透明感のある更科もいいし、真っ黒で極太の田舎風もいい。小麦の香るうどんは太めが好きだ。でも、そうめんみたいな極細もいいな。江戸風の濃いめの汁、肉汁や鴨汁、キュウリが入った冷汁、風味のいいゴマ汁…。前橋は「麺喰い」王国だ。
ツヤツヤな色白うどん
冷たい味噌味の出汁で冷たくしめたうどんをいただく「冷や汁うどん」。東毛ではよく見かけますが、前橋では珍しい。さっそく、注文します。
田舎味噌の上に薄切りのキュウリと千切りのミョウガ、シソ、それに透明な氷が乗っています。見るからに涼しそうですね。
一般的な「冷や汁」は完成した出汁ですが、こちらはちょっと違う。醤油ベースの汁が付いていて、これを少しずつ加えていきます。味噌はほんのり甘く、まろやかですね。何と、マヨネーズが隠し味に使われているとか。
中太のうどんは白く艶やか。まずはお約束通り、麺だけ啜ります。喉越しがいい。地粉のような強い個性がない分、冷や汁に合うでしょう。 まずは、汁を少しだけ。汁なしの冷やし担々麺のようです。徐々に加えていきます。次第に醤油が主張してくる味変は予想した通りですが、氷が溶けだすことによって、濃厚な味からさらりとした味にも変わっていきます。これはすごい。何度も試作したのだろうな。夏野菜はさわやかな風味。薬味のネギ、ゴマもいい働きだ。
うどん屋からパスタ店へ変身?
店は以前、産業通り沿いにありましたが、3年前に移転しました。昼はうどん店、夜はスナック「ジャンボ」と“二毛作”で頑張っています。
店主の新津裕也さんと食後に雑談していたら、「うどんは8月で終わり」と衝撃の告白です。実は店主は高崎で超人気のパスタ店の立ち上げ時の店長。昼は9月から、パスタ店に衣替えするそうです。
「冷や汁うどん」もいいけど、天かすの入った肉汁やカレーも旨い。いまのうちに通わなければ。