今回の写真は、当連載の第1回で書かせていただいた赤城山・覚満淵より、ほんの少しだけ奥へと進んだ鳥居峠という場所での1枚になります。
覚満淵へ行くときは必ずと言っていいほどセットで訪れる場所であり、望んでいた霧に出会えなかった時はこの場所で夜明けを過ごすことも多いです。
ただこの時すでに朝7時過ぎ。お天道様は写真の枠のさらに上で煌々と照っている状況。…実は私、夜明け前の撮影後の睡魔に負けてしまい、ほとんどのカメラマンが狙う日の出頃の撮影を寝過ごしてしまったのです。
やってしまった~と思いながらも寝ぼけた頭で車外へ出てみると、ふと峠から見える景色がなんとも温かい金色の風景になっているではないですか。驚きました。
太陽の位置や雲のかかり方でこのような色になったのだと思うのですが夢中になってシャッターを切りました。この時より「自然は時に、逆境のときにこそ想像を超えた世界を見せてくれる」と信じられるようになり、いつの時も撮影が楽しめるようになったのです。
こちらご参考までに。
撮影時間:朝7時過ぎ頃 絞り値:f/11 SS:1/500” 三脚撮影
写真家 長瀬 正太(ながせ しょうた)
1975年、大阪府生まれ。現在、前橋市を拠点に活動している。心温まる草花のマクロ写真や絵画のようにも見える風情ある風景写真を撮影。国際的な写真フェスティバルへの招待や国内での企画展示も多く、繊細な和紙印刷技術に定評がある。打上花火を独自の撮影法でとらえた「火の鳥写真」など新しい表現にも挑戦している。
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