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【写真家・長瀬正太の視線Vol.14】
花は咲く

2025.05.10

【写真家・長瀬正太の視線Vol.14】
花は咲く

今回は6月初旬から中旬頃に花を咲かせてくれる紫陽花をご紹介したいと思います。

公園北側の群生がオススメ

 私達の住む前橋市には「紫陽花といえばここ!」といえる場所があります。

 それが赤城山麓に10種類・約16,000株の紫陽花が咲き誇る「環境システム荻窪公園」です。

 実は、この公園には天然温泉が楽しめる施設や農産物直売所も併設されていて、子供さんを遊ばせることができる大きな遊具もあるのでご家族で行っても一日楽しめる場所…なのですが、私は常にぼっち(一人)でとある紫陽花の元へまっしぐら(笑)。

 それが今回の掲載写真でもあるアナベルです。

 私はジブリアニメが大好き(もののけ姫まで)なので脳内ではナウシカの声で「アスベル!」と再生されますがアナベルです(笑)。

 小さな可愛らしい花をたくさん咲かせてくれる品種なのですが、私のオススメは公園の北側にある白いアナベルの群生。

 青々とした紫陽花の葉っぱがマクロ撮影によってボケると、とっても良い背景となってくれます。

 この元気のでる緑色のグラデーションがほんのりと薄く色づいたアナベルの花の色をよりいっそう引き立ててくれるのです。

 また群生してくれているので、主役として撮影している花の周りにある別のアナベルを上手く画面内に入れることで白く丸いボケを作ることができます。

 この白い丸ボケをピントを合わせた主役の花と重ね合わせることで視線誘導(人間の目は自然とより白い場所に目がいくという心理現象)を狙います。

 今回掲載されている3枚のマクロ写真も、よく見ていただくと「白いボケの上に主役の花」という構成になっているのがお分かりいただけるかと思います。また今回のエッセイを綴るにあたりアナベルの花言葉を調べてみました。

 “アナベルの花言葉は、「ひたむきな愛」と「辛抱強い愛情」です。

 アナベルは、アメリカあじさいとも呼ばれる品種で、白くて大きな花が特徴です。また、開花時期が長く、一度咲き終わった花を切り戻すと、その年のうちに再び花を咲かせることができるため、「ひたむきな愛」「辛抱強い愛情」という花言葉が付けられました。(Google検索 AIによる概要より)

 毎年の開花を楽しみにしている大好きな花ですが、この素敵な花言葉を知り私はますますアナベルのことが好きになりました。

 また「咲き終わった花を切り戻すと再び花を咲かせることができる」のです。

 このことは私が撮影している火の鳥写真にも通じるものがありますし、前橋ビジョンである「めぶく。」にも繋がっているような気がしてなりません。

 あらためて素敵な思いがこめられた花なのだな、と感じたのです。

 

 管理の方々がせっせせっせとひたむきに世話を続けてくださることで今年もまたきれいな花を咲かせてくれることでしょう。

「環境システム荻窪公園」のアナベル、6月にはぜひともお出かけになってみて下さい。

写真家 長瀬 正太(ながせ しょうた)

1975年、大阪府生まれ。現在、前橋市を拠点に活動している。心温まる草花のマクロ写真や絵画のようにも見える風情ある風景写真を撮影。国際的な写真フェスティバルへの招待や国内での企画展示も多く、繊細な和紙印刷技術に定評がある。打上花火を独自の撮影法でとらえた「火の鳥写真」など新しい表現にも挑戦している。
■URL:https://shotanagase.myportfolio.com/
■火の鳥写真:https://shotart.myportfolio.com/
■Twitter:https://twitter.com/syouta0002