私は毎年、赤城山の麓にある「カネコ種苗ぐんまフラワーパーク」の年間パスポートを購入しています。といいますのも、カメラを始めた頃からの趣味でマクロレンズ一本を持って園内を散策することが大好きだからです。もちろんカメラを持たないで季節ごとの綺麗な花々を見て歩くのも良いのですが、マクロレンズを通した世界にはいつも発見があります。
この時は楓の青葉が空を飛ぶひとひらの蝶のように見えました。この写真、実はちょっと特殊な撮り方をしています。ピント合わせを手動にし、わざとどこにもピントが合わないようにしているのです。
「これってピンボケ写真じゃないの?」とツッコミを入れられれば「Yes」と答えるしかないのですが…ピントを外すことで初めて見えてくる世界がある、と私に教えてくれたのはこの場所でした。それ以来、またなにか今までに見たことのない一瞬を見せてくれるのではないかと期待しワクワクしながら園内を撮り歩いています。
なにも見つからなくてしょぼんとして帰る時もあるのですけどね。

撮影時間:朝10時ごろ 絞り値:f/3.2 SS:1/640” 手持ち撮影
写真家 長瀬 正太(ながせ しょうた)
1975年、大阪府生まれ。現在、前橋市を拠点に活動している。心温まる草花のマクロ写真や絵画のようにも見える風情ある風景写真を撮影。国際的な写真フェスティバルへの招待や国内での企画展示も多く、繊細な和紙印刷技術に定評がある。打上花火を独自の撮影法でとらえた「火の鳥写真」など新しい表現にも挑戦している。
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