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長瀬正太さん「火の鳥写真展」
10日から阿久津画廊で
2022.09.08
「見たことのないものを見たい」とチャレンジし続ける写真家、長瀬正太さん。花火を流し撮りし、幻想的な絵のような作品を集めた個展「長瀬正太 火の鳥写真展」が10日から前橋市の阿久津画廊で開かれる。個展の見どころを聞いた。(取材/柁原妙子リポーター)
夜空をキャンバス、花火の爆発を絵の具、カメラを筆に描く
ーー今回の個展ではどんな写真を展示するのですか。
前橋花火大会をきっかけに生まれた火の鳥写真の集大成です。いままで展示したことのない、色とりどりの火の鳥を選んでいます。一番最初に火の鳥らしき写真が撮れたのは2015年。カメラを動かして、花火を流し撮りしたのです。手塚治虫先生の漫画を読んでいなかったら「ブレちゃった、失敗だ」で終わっていたと思いますが、自分には作品になるものが撮れるかもしれないという確信がありました。
その後、考えつくあらゆる動きをして、動かせるものは全て動かして試行錯誤。そして2017年の大会で、初めて「手塚先生の描く宇宙に飛んでる火の鳥」をイメージさせる写真が撮れました。
ーー独特な世界ですね。
「夜空をキャンバス、花火の爆発を絵の具、カメラを筆として描いている」と言えば伝わりやすいでしょうか。私自身この撮影法では何が撮れるかわからないのですが、そこが面白い。根幹には「見たことのないものを見たい」「もっと想像を超えたものが見たい」という気持ちがあります。花火を撮影する際に、良くない条件がある中で撮った方が想像を超えたものに出会えることが多いので、私は内心「もっと悪条件になれ」なんて思っていたりします。火の鳥#10もそういう悪条件の中で生まれた作品の一つです。
ーーもしかして、この赤いところは煙ですか。
そう、煙なんです。今回の個展では、個人所蔵の1.2m × 1.8mというサイズの作品をお借りして展示します。
伝え合うことで世界を広げる連鎖反応が起こる
ーー最近の新しい火の鳥への取り組みは。
作品の物語性のあるまとめ方ですね。見てくださる方の想像をもっともっと広げられるようにお見せしたいです。
ーーどんな風に作品を見てほしいですか。
想像を超えていただけたらいいなと願っています。この間作品をご購入いただいた方が「宇宙を感じる。これを飾ったら自分の部屋が異空間になる」と言ってくださって。自分以外の人が見て、こんな見たことのない世界を見つけましたよって伝えてもらえると、素直に嬉しい。
長瀬正太 火の鳥写真展
日時:9月10日(土)〜9月18日(日)10:00〜17:00
※12日(月)は休廊
会場:阿久津画廊
前橋市南町3−44−1
※JR前橋駅南口より徒歩3分。駐車場は画廊西側と他に数台分
問合せ先
阿久津画廊
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- 027−223−2259