watch

見たい

【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.43】
身体に病院 、 心には芸術

2025.03.12

【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.43】
身体に病院 、 心には芸術

 今まで、2回前橋の同じ病院で、素早く病原を発見してもらい助かった。

 コロナの時は直ぐに薬を飲むように言われ、ほとんど症状が出ない内に治ってしまった。

 帯状疱疹は、心臓のあたりが痛かったので、調べている時、医者が小さな斑点を見つけて、帯状疱疹である事が分かった。それ以来、私はその病院を信頼している。

 前橋をイメージする時、最初に思い浮かぶのは、病院の建物だ。曽祖父が医者で萩原病院を開業していた話は耳にタコの話題だ。前橋が県都になった話の中に登場するのも病院だ。それに、毎日近所を散歩していて、電信柱にある病院名ばかりが目に入ってくるのも、前橋だ。

 皮膚感覚として、前橋に安心感を覚えるのは、この病院の多さなのではないだろか。身体には病院。心には芸術。住居には硬い地盤。それが安心を呼び込む前橋の姿だろう。

 

 

 

Sakumi Hagiwara

萩原朔美(はぎわら・さくみ)

1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮。世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵されている。著書多数。多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長(現在は特別館長)。2022年4月から金沢美術工芸大客員教授、2023年7月から前橋市文化活動戦略顧問。