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【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.29】あおくんときいろちゃん
2023.10.27
レオ・レオーニの絵本はシンプルだから、想像力を喚起させてくれる。「あおくんときいろちゃん」は、色が合体すると別の色に生まれ変わる面白さが子どもに受け、寝る前によく読まされた。
青い空と黄色い太陽が緑の草木を育んでいるように感じられて、読む方も楽しかった。
前橋でも、青と黄色に出会うとつい撮影してしまう。青は、突然出現する海に思え、黄色はひまわり畑を連想させた。
この数年は、まず国旗を連想させる。不幸な時代になった。違いを認め、合体を楽しまなければ未来はない。あおくんときいろちゃんのように楽しい合体が見たい。今日は、過去の未来だ。
Sakumi Hagiwara
萩原朔美(はぎわら・さくみ)
1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮する。昨年、世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵された。著書多数。現在、多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長。2022年4月から、金沢美術工芸大客員教授、2023年7月から前橋市文化活動戦略顧問。