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料理倶楽部 紫
巨大穴子天と十割蕎麦と

2025.04.08

「命をいただく」大切さ

 料亭のような落ち着いた佇まい。紫色の暖簾をくぐると、女将兼料理長の野村たき子さんが優しく出迎えてくれます。
 昼時ですが、座敷は会席料理を楽しむグループで埋まっています。1人ですのでカウンターへ。十割蕎麦と穴子天丼のセットをお願いしました。

▲十割蕎麦と穴子天丼。香の物も手作り

 天ぷらが丼からほとんどはみ出ています。アルミホイールに入った蒸し物も並びます。圧倒されるボリューム。でも、盛り付けが美しく華があります。
 まずは蕎麦からいただきましょう。信州産の蕎麦は平打ちで黒みがかっています。風味よし。喉越しも十割とは思えないほど滑らかです。

▲蕎麦は毎朝一番に打つそうです

▲大きすぎる穴子。これだけでお腹いっぱい

 穴子は野菜天に隠されていました。引き出してみると、もうびっくり。長さは推定20㌢強。幅広で厚みも十分。箸で持つとずしり重さを感じます。
 「活きた穴子を裂きます。『命をいただきます』と感謝しながら」と女将さん。心していただきます。
 身は柔らか。甘さ控えめなすっきりしたタレがほんのりした風味、甘みを引き出してくれます。半分、残しましょう。ひらめきましたので。
 天丼は他に野菜が5種入ります。ほとんど種から栽培したものとか。新タマネギの甘みとフキノトウの苦みが春の到来を教えてくれました。

米豚の蒸し物が副菜に

 ホイールは豚肉と野菜の蒸し物でした。豚肉は米で飼育した米豚。飼料米とはいえ贅沢ですね。口に入れるとほろり。4時間も下茹でするそうです。豚の旨みを菜の花や新ジャガ、かつら向きしたダイコンが吸って素晴らしく美味しくなります。

▲春の野菜たっぷりの蒸し物。米豚はニンジンの下

 さて、半分残した穴子天とご飯。蕎麦汁を蕎麦湯で割って掛けてみました。穴子天茶です。お行儀悪ですが、これが旨いの何の。米粒一つ残さず完食です。ごちそうさまでした。

 会計を済ますと、女将さんがわざわざ玄関まで見送ってくれました。優雅な時を過ごせました。

▲十割蕎麦と海鮮にも蒸し物が付きます

▲手先が器用な野村さん。刺身のあしらいは芸術的です

▲果物に彫刻を施すカービングの先生です

店舗情報

料理倶楽部 紫

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