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そば処 歳時記
冬の旨いもん お切り込み

2025.02.04

麺も野菜も幅広が旨い

 赤城南麓にある蕎麦の名店「ささや」の系譜を汲みます。契約農家から仕入れた玄ソバを毎朝、石臼で挽き二八で打つ蕎麦は絶品。ですが、寒さ厳しい折、上州名物「お切り込み」で温まりましょう。
 琴の音を聞きながら座敷で待ちます。古民家風の趣きのある建物もささやのよう。

▲蓋を開けた瞬間、いい匂いが漂います

 しばらくして、鉄鍋が運ばれました。蓋を取ると、プーンと味噌の甘い匂いがしてきます。さあ、熱々をいただきましょう。白味噌仕立て。出汁が香り、ほんのりショウガの風味がします。
 野菜がたっぷりですね。ダイコン、ニンジンは幅広に切ってあります。柔らかく、よく味が染みています。タケノコとコンニャクも幅広。これは…。

▲幅広のニンジン。柔らかく甘い

 はい、うどんもお約束通り幅広でした。2㌢から3、4㌢ほど。厚みはちょうどいい感じです。
 しっかりコシがありながらもっちり。あまり、どろっとしていません。下茹でをしてから鉄鍋で具材と一緒に煮込んでいるようです。この辺が家庭で作る昔ながらのとは違うところでしょう。

▲幅広の麺。最後までコシが残り、味が染みています

 それにしても、具が豊富です。キノコ類はシメジにシイタケ、マイタケ。ハクサイ、サトイモ、ゴボウ、サトイモ、青ネギと冬野菜が勢ぞろい。油揚げ、豚肉が加わって栄養満点の鍋でした。

ささやの味を継承し進化

 ささやでもこの冬、お切り込みをいただきました。本家は醤油と味噌の合わせ味で麺はもう少し細め。それでも、具だくさんでほっとする味わいは継承されています。お切り込みではあまり見かけないカボチャも両店とも入っていました。

▲ささやのお切り込み。こちらも具だくさん

 店主の須永美博さんはささやの親戚筋にあたり、店長を5年ほどされていたそうです。「ささやの味を大事にしつつ、自分の蕎麦、うどんを進化させていきたい」と“恩返し”を誓っています。

▲山菜たっぷりのカレーうどんもささや流

店舗情報

そば処 歳時記

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027-280-2219
住所 前橋市樋越町756-1
営業時間 11時~15時、17時~20時(土曜、日曜のみ)
定休日 火曜