レストラン ポンチ
３種類の豚肉で「３TON」

ヒレにするか、ロースにするか。えっ、何の話？　カツです。決められないので、両方いっちゃおう。というわけで、T-1グランプリ用の新作「３TONまえばし大正カレー」に挑戦します。

注文すると、オープンキッチンの中で店主の町野義幸さんがブロック肉を切り出し、「ドン、ドン」と叩きます。下味を付けパン粉をまとわせ、油で揚げ始めました。「作り置きはしません。美味しくないから」と忙しい時間帯も手間をかけます。

「お待たせしました」。豪快なカレーのお出ましです。大きなロースが左上、部厚いヒレが右上に鎮座。カレーは下半分を埋め尽くしています。

カツはカレーにわずかに浸るだけ。これがいい。せっかくの作り立て、揚げ立て。最初はソースを付けてカツライスで食べましょう。うーん、サクサク。

「３TON」の意味が分かりました。ルーの中にたっぷりとモモ肉。ヒレ、ロース、モモのそろい踏みです。さっぱりしたヒレ、脂の美味しいロース、柔らかく煮込まれたモモ。豚肉の魅力を一皿に詰めました。

1920（大正９）年の創業以来、ルーを継ぎ足してきた黄色いカレーはいつ食べても懐かしくて優しい。激辛とは無縁で、スパイスも主張しすぎません。ちょっとソースを垂らすと、これがまたいい。

カレー単独でも十分ですけど、カツと合わせると旨さ倍増。カツは高温でカラッと揚がっているので、カレーに浸すとちょうどいい感じになります。

「インパクトのあるやつにしたかった。どうでしたか」と町野さん。「参りました」。あまりにも肉が多すぎ、カツはお土産にさせていただきました。