静可元総社店
香ばしくサクっとした蒲焼

箏の音が流れる広間の座敷に座り、大きな湯呑でお茶をいただきます。

「うなぎはお時間がかかります。申し訳ありません」と張り紙がありますが、まっとうなうなぎ屋さんなら当たり前。待つのも楽しいくらい。

何でも、ご飯は注文を受けてから羽釜で炊くそうです。楽しみだな。

漬物の盛り合わせと肝吸い、それに追加用のタレと山椒がまず配膳されます。ここですごく後悔。お酒を頼めばよかった。漬物がすごいんですよ。15種類くらいありそう。そう、うなぎ屋さんの漬物は旨いんだよな。つまみながら待てばよかった。

うな重が来ました。箱を開けると、もう笑顔になれます。たまらない匂い。まずは、うなぎだけ。あー、旨い。蒸してからタレを付けては焼きを繰り返す関東風ですが、強火で仕上げるのでしょうか、表面がサクッとしていて関西風にも通じます。

タレはほどよい甘さ。うなぎにもご飯にもやや控えめにかかっています。追いダレで調整するのですね。これはいい。硬めのご飯に最高です。

さて、山椒も入れましょう。me bu ku流はうなぎではなく、ご飯にかけます。寿司のワサビと同じ原理です。山椒が勝ちすぎません。ぜひ、お試しを。

それにしても、漬物のうまいこと。キュウリやナス、ゴボウもあります。いい口直しになって、うなぎを無限に食べられそうです。

店は創業86周年。中心街の煥乎堂の近くにあった本店から暖簾分けされたそうです。現在のご主人で３代目。ぜひ、長く暖簾をお守りください。