牛や清
涼味 栄養満点です 冷しゃぶ

涼しげなガラスの器に積まれた氷の上、しゃぶしゃぶされた牛肉と色とりどりの野菜がきれいに盛り付けられています。もはやアート。箸を付けるのがためらわれます。が、速攻で「いただきます」。

すると、「野菜と一緒に召し上がっていただくと、素晴らしく美味しいですよ」と女将の藤井紀美江さん。もともとは自慢のゴマダレを従業員さんがサラダのドレッシング代わりに使ったのが始まりとか。

主役はもちろん上州黒毛和牛。和牛のオリンピック「全国和牛能力共進会」で上位に入る加藤牧場の牛肉だそうです。

この牛肉の魅力、特にサシの旨さを冷製で提供するには相当な技量が求められそうですね。茹でる温度、冷やし方、企業秘密がいくつも隠されています。

付け合わせはゴマダレに合うように選抜された夏野菜を中心に10種類。えっ、これも入るの？と驚く野菜まで。しゃぶしゃぶの概念を覆しますよ。

では、女将の忠告を守りましょう。まずは牛肉にキュウリ、レタス、トマト、ニンジンを載せ、巻き巻きしてゴマダレに。ボリューミーで豪華なサラダです。レタスとトマトだけならBLTのようです。

続いてはミョウガ、ナス、ワカメ、シイタケを橙入り自家製ポン酢で。一気に和の世界。エビとクラゲにトマト、ニンジンを入れればベトナムの生春巻きみたい。いろいろな組み合わせを楽しめます。おっと、インゲンを忘れていました。

1959（昭和34）年創業、すき焼きとしゃぶしゃぶの老舗です。個室からは利根川を間近に眺められ、夏の上州を彩る名物料理と勝手に認定させていただきます。