手打ちそば すかや新前橋店
本鴨汁で蕎麦、うどんを食す

JR新前橋駅近くにあり、気軽に手打ち蕎麦や丼物を味わえます。近くの会社員や近所の人でにぎわう人気の町の蕎麦屋さんです。

「当店一押し」とある本鴨汁相もりをいただきました。鴨汁はよくみかけますが、だいたいが合鴨でしょう。本鴨とは珍しい。

量がたっぷりなのがうれしいですね。蕎麦もうどんも１人前ずつあります。

お約束ですので、まずは蕎麦をそのまま。２種類の蕎麦粉をブレンドしているそうです。中細の蕎麦は喉越しがよく、力強さも感じます。

鴨汁に合わせてみましょう。冷たい蕎麦が一瞬、膨らむような感じ。蕎麦に負けず、汁も力強いですね。返しはやや強めでしょうか。

鴨肉は脂身がほとんどありません。噛むと、口の中にじわっと野趣あふれる旨みが広がります。具はほかに青ネギだけ。シンプルさがいいですね。

うどんは中細で、やや平打ち。つるつる、シコシコしています。これも熱い鴨汁によく合います。

若い男性客はセット物の注文が多いようです。特にカツ丼が人気なのか、早々に売り切れました。

店は先代がいまはなき「すかや田町支店」で修業し、60年以上前に独立しました。2代目の店主、阿久澤宏さんは前橋市内の名店で手打ちを覚え、機械打ちから変えて跡を継ぎました。

「『すかや』の名前で育ったので愛着のある暖簾はそのまま。各店それぞれ独自性を出していますが、『すかやのれん会』の繋がりは大事にしたいです」。最盛期28軒あった「すかや」は９軒。前橋市内で唯一の店として暖簾を守っています。