群馬會舘食堂
昭和の西洋料理の矜持守る

昭和天皇の即位を記念して1930（昭和5）年11月に建てられた群馬会館。完成と同時に開業した歴史と格式ある西洋料理の店です。記念日や自分へのご褒美に贅沢な時間を過ごしましょう。

看板のカニクリームコロッケをはじめ5種類から3種類を選べる洋食プレートランチにしました。カキフライ、ハンバーグは早々と“当確”。残り1つは悩みに悩みエビフライが滑り込みました。

パンかライスが選べますが、ここは奮発してミニハヤシライスに。創業以来あるハイカラな洋食。これを食べずにはいられません。

季節の野菜が入ったコンソメスープがまず登場、しばらくしてサラダとプレート、ハヤシライスが続きます。スープもサラダも秀逸です。

カキフライは2個。エビフライは1匹。ウスターソースとタルタルソースが付きますので、ハーフ＆ハーフで。カキの熱いエキスが口の中で広がり、火傷しそうなほどです。

ハンバーグは粗挽きではなく、洗練された感じ。火入れが完璧です。そして、何よりデミグラスソースが絶品。店の命でしょう。

コース仕立てのように味わい、〆にいただくのがハヤシライス。柔らかな牛肉の塊がゴロゴロ入っています。懐かしくて新鮮。これも看板ですね。

「レシピは少しずつ変わります。変わらないのは料理に対する姿勢。時間と手間をかけて食材を生かす。守るべき伝統です」。一世紀近く続く老舗を守る4代目、小豆畑由美子さんは凛としてこう話します。