ジャズ喫茶　木馬
ジャズとカレーとコーヒーと

巨大なスピーカーから流れるのはサックス奏者、ズート・シムズの名盤「ザ・モダン・アート・オブ・ジャズ」。腹に響く重心の低い大音量に久しぶりのジャズ喫茶の洗礼を受けた気がします。

1966（昭和41）年創業と半世紀の歴史を誇ります。県庁近くから現在地に越してからも25年。スピーカーやアンプは店と同じ年を刻んできました。

創業以来、店を守る根岸幸一さんは全国のジャズ好きにその名を知られる存在。ライブを主催し、オスカー・ピーターソンやビル・エヴァンスといった「ジャズジャイアンツ」を前橋に呼びよせました。

「名盤が集中している1950年代をもう一度掘り下げて再確認しています」。所有するレコードの枚数を競った時代もあったそうですが、「オリジナル盤を楽しんでほしい。大人の趣味はちょっと贅沢にね」といたずらっぽく微笑みます。CDはもちろん、中身の薄い再発盤はすべて処分したそうです。

レコードがトロンボーンのフランク・ロソリーノになりました。音量にも慣れ、大人の空間を楽しむ余裕が出てきましたね。