素朴な弁当が豪華な御膳に
うどんと蕎麦の田村

通称「田村うどん」。製麺所が直営する持ち帰り専門店です。生麺や茹でた麺もありますが、汁や薬味が容器に入った手軽な弁当が人気です。

うどんは細麺と太麺の2種類、蕎麦は中太のみ。冬は幅広の「ひもかわ」があります。

蕎麦と太麺のうどんの弁当をお願いしました。天ぷらやキンピラを付けて。袋に入った汁をかけてそのまま食べられますが、ひと手間かけましょう。

麺は茹で置きですから、うどんも蕎麦も熱湯をかけた後、氷水で締めます。麺が生き返るのです。

盛り付けもこだわります。県庁前にあった田毎庵大手町支店が店仕舞いした際、親父さんからいただいた漆塗りのセイロの出番。汁は蕎麦徳利に入れ、蕎麦猪口に注ぎます。我が家の家宝です。

どうです。400円しない弁当が立派な御膳に早変わり。さあ、いただきましょう。

二八とはいかなくても蕎麦は蕎麦。音を立てて啜ると風味が広がります。ワサビを乗せて、また一啜り。春菊やゴボウの天ぷらと一緒に食べても旨し。

うどんは天ぷらもいいけど、キンピラがよく合います。汁が辛口になって刺激的になります。七味もたっぷりかけましょう。

うどんも蕎麦も基本的に冷たい麺を汁につけるのが好きですが、製麺所の麺の場合、熱くするのも手ですね。うどんは汁も熱くして釜揚げに、蕎麦はかけ。ともに付け汁より薄めて追いガツオすると旨さ倍増です。ぜひ、お試しあれ。