千福食堂
昭和を支えた豪快かつ丼

焼きまんじゅうもある創業90年の老舗食堂です。あまり見かけなくなった三角巾を被ったお姉さんたちがせわしく動き回っています。が、注文を取りには来てくれません。厨房近くのカウンターに行き、テーブル番号とともに告げるのがこの店の仕来たりです。

かつ丼に決めていました。看板メニューなのだそうです。相方はラーメン。餡なしの焼きまんじゅうを一本頼み、シェアする作戦です。

来ましたよ、豪快なかつ丼が。カツが丼からはみ出さんばかりで、蓋は付いてきません。

豚肉はラードで揚げているようで香ばしい。分厚いカツが大きく切られています。見事なカツ断層です。では、一口。うん、柔らかでジューシー。

味付けはぐっと濃いめ。卵はしっかりとじられています。とろとろではありません。丼いっぱいのご飯の量といい、時代に迎合しない店の矜持を感じます。これぞ、激動の昭和を支えたカツ丼なのでしょう。

ラーメンも昭和です。鶏ガラで取ったあっさりスープにカンスイ多めの黄色の麺。チャーシュー、メンマ、海苔にお約束のナルトももちろん入っています。

焼きまんじゅうの登場です。で、でかい。30㌢の大串にまんじゅうが５個刺さっています。４個が一般的でしょう。得した気分ですね。

大きな口を開けてガブリ。焦げた部分が多く香ばしい。生地はぎっしり詰まっている感じです。ふんわりではありません。昔からの作り方をかたくなに守っています。ちなみに昭和８年の創業時、焼きまんじゅうは１本５銭だったそうです。