小松屋
目に鮮やかな海鮮せいろ

「いらっしゃい。お座敷にどうぞ」。「お一人さまはこちらのカウンターへ」。12時前なのに続々と暖簾をくぐってくる常連さん。出前の電話も止まりません。接客にあたるのは４代目、林知さん。粋がよくて、江戸っ子みたいです。

一押しの海藻せいろをお願いしました。緑のワカメやコブに白や赤の海藻が贅沢にもざるの半分を覆い色鮮やか。健康によさそうですね。

まずは蕎麦を。中細の手打ち。少し黒ずんでいます。飾り気はなく、普通なのがいい。汁に少しだけ付けて啜ります。喉越しがいい。

海藻と一緒に。つるっ、シャキと異なる食感と磯の香り。蕎麦と海藻、出会いものですね。

別皿で小ぶりのかき揚げが２個に山菜の水煮、おろしも付いてきます。かき揚げは桜エビ入り。春の香りが口の中に広がります。

山菜おろしも楽しめ、何だか得した気分。これは絶対お薦めします。

「カツカレーうどん つゆ別」など変わり種があります。季節ものの鍋焼きうどんや冷やしたぬきは通年メニュー。ミニの天丼やカツ丼に１人前の蕎麦、うどんが付くセットは麺類を半分にすれば50円引き。うれしい心配りですね。

利根川に架かる大渡橋東詰めの店は過去に氾濫によって流されるなど３回、場所を変えたそうです。「昔は宿屋をしていて、蕎麦屋になってからも100年くらい」。そんな老舗で気軽に蕎麦を手繰る。幸せなお昼になりました。