中華料理 大龍
半世紀変わらぬ優しいラーメン

昭和を感じる店内は時間が止まったよう。厨房からご主人が中華鍋を振るう音が聞こえます。白い割烹着を纏った女将さんが大事そうに両手でラーメン丼を持ち、テーブルまで運んでいました。

ラーメンとギョーザをお願いしました。しっかりした声で厨房に伝えます。

店に最初に来てから40年以上。久しぶりですが、変わらぬ素朴なラーメンが来ました。湯気が立ち、プーンと魚介系のいい香りがします。

スープを一口。優しい味です。豚骨、鶏ガラや鰹節、煮干し、昆布、野菜からじっくりと旨味を引き出します。色は濃いめながら、カエシはきつくありません。ショウガの香りがうれしい。

この店のラーメン、一番の売りは手打ちの麺でしょう。細めで縮れがあります。茹で加減はこの手の店では珍しく硬め。最後まで伸びることなく、コシのある麺を啜れます。

具はチャシウと表記する焼き豚、メンマ、ホウレンソウと海苔。チャシウは噛み応えがあり、味がしっかり染みています。

ギョーザが遅れてやってきました。530円という値段設定は強気ですが、食べてみれば納得。平べったいギョーザが６個。適度に味が付いた餡も秀逸ですが、麺と同様に手作りした皮が最高。焼き目がパリッとして、反対側はもっちりしています。

開店して半世紀を超えました。80代の大山孝雄さんと奥さまの二人三脚で頑張っています。いつまでもお元気で美味しいラーメンを作ってください。