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【写真家・長瀬正太の視線Vol.7▶︎】
あなたは何かのヲタクでしょうか?

2022.06.07

【写真家・長瀬正太の視線Vol.7▶︎】
あなたは何かのヲタクでしょうか?

あなたは何かのヲタクでしょうか?

…実は、私は漫画ヲタクです。

昔は「ヲタク」という言葉は侮蔑的に使われることも多く、私も周りの友人に自分が何かしらのヲタクである、と言うことに抵抗を持っていました。

そんな中でも「学校の図書館にあるのだから大手を振って読める!」と手に取ったのが手塚治虫先生の名作「火の鳥」。

小学生の私にはかなり難解なストーリー。奇想天外な内容と過激な演出。

ページをめくる度に新しい世界が開けるように感じ、その全てが面白いと感じたのです。

何度も図書カードに名前を書き連ねては読み重ね、少しずつストーリーが繋がっていくことが実に快感であり、衝撃的でした。

そして、その衝撃の数々は私の頭の中に小さな種となって撒き散らされ…2015年。

前橋花火大会で撮れた1枚の失敗写真を見た瞬間に一斉に芽を吹き出しました。

「これは写真で火の鳥が撮れるかもしれない!」と。

その時から私の挑戦が始まり…100万発以上の打ち上げ花火の撮影を経て、火の鳥写真という一つの世界観となって花を咲かせてくれました。

「好きなものは好きなんだからしょうがないじゃないか」と陰に籠もっていた私のヲタク魂も、今では銀座での個展タイトルに「漫画 × 写真 = 火の鳥」と付けるほどに私の人生の核を形成してくれています。

あなたにもそんなヲタクな一面はありますか?

ただ好きで好きでしょうがない、といった衝動はありますか?

もしその自分のヲタク魂に照れくささを感じても、その種を愛でることをやめないで下さい。きっとそれがあなたの人生に花を咲かせてくれる大切な種なのですから。

写真家・長瀬正太(ながせ・しょうた)

1975年、大阪府生まれ。現在、前橋市を拠点に活動している。心温まる草花のマクロ写真や絵画のようにも見える風情ある風景写真を撮影。国際的な写真フェスティバルへの招待や国内での企画展示も多く、繊細な和紙印刷技術に定評がある。打上花火を独自の撮影法でとらえた「火の鳥写真」など新しい表現にも挑戦している。

写真展「 漫画 × 写真 = 火の鳥」

期日:2022年7月15日(金)~21日(木) 10:30~19:00 土日祝 11:00~17:00 最終日 14:00まで

場所:富士フォトギャラリー銀座(〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目2-4 サクセス銀座ファーストビル4F クリエイト銀座本店 )

主な作品は「火の鳥シリーズ」と「魂シリーズ」。A1ほどの大きなサイズの作品10点を展示する(メイン1点は1.2m×1.8m)。期間中は、会場に長瀬さんが在廊する。