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萩原朔美の前橋航海日誌VOL.12
「文学館の看板」
2022.06.03

建物には威嚇と求愛がある。寺院教会などは威嚇だ。建物と向き合うと自然に頭が下がるような構造である。
ショッピング・モールやレストランは求愛だ。気軽に入りたくなる気持を喚起させるのが建物の役割だ。
文学館も当然求愛型でなければならない。しかし、「偉い人の偉い業績だぞ、頭が高い」とでも主張しているかのような文学館は結構ある。
そこで、前橋文学館はレストランによくある黒板を入り口に設置した。毎回、受付業務の女性が描いてくれる。凄い。デザインセンス抜群。どんな隠れた才能が潜んでいるのか分からないのが、前橋文学館のスタッフなのである。








萩原朔美(はぎわら・さくみ)
1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮する。昨年、世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵された。著書多数。現在、多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長。2022年4月から、金沢美術工芸大客員教授、アーツ前橋アドバイザー。
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