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シャッター街に「うすい店」
アーツ前橋、良品計画が企画展
2025.01.25

シャッターが下りたままの店舗の中や工事現場の仮囲いの前に奥行き1・5㍍ほどの極薄建築「うすい店」を置いてはいかが-。そんな提案をする企画展が1月25日、アーツ前橋で始まった。大規模な再開発が始まる前橋市中心街で、工事中もにぎわいを保ち、街を面白くするための社会実験。アーツ前橋と「無印良品」を運営する良品計画が協働して企画した。
奥行き1・5㍍の架空店舗
閉店したカメラ店やレコード店、食堂のシャッターが開けられ、奥行き1・5㍍の架空の店舗が30分の1のスケールの模型で展示されている。
模型は中央通りや弁天通り、銀座通りの実際にある店舗がモデル。小さな花屋さんやブティック、カフェやミュージックバーが出現し、本当にこんなふうになれば楽しいとつい見入ってしまう。

▲中央通りと銀座通りの十字路に出現したバー

▲弁天通りには食堂やブティックが並ぶ
再開発の中心部となる中央イベント広場も仮囲いを設置、囲いの前にスタンドバーや青果店が軒を連ねている。

▲仮囲いの前で青果店はいかが
前橋市中心街のにぎわい創出を目指し、アーツ前橋と良品計画は2023年11月、建築家、元木大輔さんによるデザインリーチのワークショップを開き、2024年11月には中央通りの閉店した薬局前で「うすい店」を試験的に設置した。
今回の企画展ではシャッターを下ろした店舗がいまもあり、さらに再開発工事を控える中、低予算かつ短期間で実装できる戦術的まちづくりの一つとして、元木さんと元木さんが代表を務める建築・デザイン事務所「DDAA LAB」が「うすい店」を提案している。

▲2024年11月、実際に設置された「うすい店」=アーツ前橋提供
「うすい商店街」おもしろい
初日の25日は元木さんを迎えたトークプログラムを開き、「うすい店」の魅力や可能性を考えた。
元木さんは前橋について、「民間が積極的 公共に関与するまち」と表現する。「再開発は6年以上かかる。(仮囲いで)閉じている間も道路にはみ出ていい特例を生かし、面積最小で表面積最大の店を出せる。『うすい商店街』は風景としておもしろい」と強調、「うすい店」が実現する可能性の高さを示した。

▲トークプログラム。テーブルの1番右が元木さん
MUJI for Public Space in Maebashi 「うすい店」展

・会期 2025年1月25日(土)~3月23日(日)
・時間 10時~18時
・休館 水曜
・会場 アーツ前橋1階ギャラリー
(前橋市千代田町5-1-16、☏027-230-1144)
・入場 無料