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デビュー作『かぶきもん』発刊
前橋高出身の米原信さん
2025.01.26

オール讀物新人賞を最年少で受賞した前橋高校出身の小説家、米原信さん(21)のデビュー作となる『かぶきもん』が1月30日、文藝春秋社から発刊される。オール讀物受賞作の『盟信が大切(かみかけてしんがたいせつ)』をはじめ、江戸歌舞伎を題材にした6編の短編をまとめた連作短編集。米原さんは「大好きな歌舞伎のことを書いた『かぶきもん』、たくさんの方に楽しんでいただきたい」と話している。
江戸歌舞伎を短編6編に
『かぶきもん』は歌舞伎が隆盛を迎えた江戸・文化文政期に活躍した二大スター、三代目尾上菊五郎、七代目七川團十郎、天才狂言師、鶴屋南北を登場させ、創作した歴史小説。「お岩さん」で有名な『東海道四谷怪談』など6つの演目に合わせて、6編の小説を展開させている。
『盟信が大切』など3編はオール読物に掲載しており、3編を新たに書き下ろして構成した。

門井さん「キラキラしている」
オール讀物新人賞を最年少で受賞した現役東大生の初の作品集とあって話題を読んでいる。
桐生市生まれの直木賞作家、門井慶喜さんは「小説の魅力のいっとう根源的なものがキラキラしていました」と講評。本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞した永井紗耶子さんは「この著者、前世で芝居小屋にいたでしょ⁉」と絶賛している。
『かぶきもん』は四六判、256㌻。1870円(消費税込み)。前橋市内の書店などで取り扱う。

米原さんのコメント
『かぶきもん』の見本を手に取った感想は「本当に出来たんだなぁ」。その一言に尽きる…とも言えるのですが、尽きちゃあ、お話になりませんよね(笑)。
1㌻目をぺらっと捲った時の感覚は、三年前の大学の合格発表と似ていました。運に恵まれたという気持ちと、土台の努力が報われたという気持ち。
いざ読み直してみると「やったぞ!」という思いが湧いてきたのですが、一方で「ここも、ここも、まだ直せたんじゃないか」と気になったりして、なかなか平常心では読めません。
これから何度も「本当に出来たんだなぁ」と著書を手に取れるように、今は次に書くもののことを考えています。
大好きな歌舞伎のことを書いた『かぶきもん』、たくさんの方に楽しんでいただきたいです。
米原信(まいばら・しん)

2003年、前橋市生まれ。県立前橋高-東京大文学部。中学は剣道部、高校は演劇部に所属、脚本を書き主役を演じた。趣味は芝居の観劇。特技は歌舞伎役者の台詞を物真似する声色(こわいろ)。19歳だった2022年、オール讀物新人賞(文藝春秋)で史上最年少、初の10代の受賞者となる。

