watch

見たい

「私たちはみんな地球人」
アーツ前橋 7月18日まで収蔵展

2022.06.29

「私たちはみんな地球人」
アーツ前橋 7月18日まで収蔵展

「境界線、そして交差する点へ ―アーツ前橋コレクションから考えるコスモポリタニズム―」展が7月18日まで、アーツ前橋で開かれている。
「コスモポリタニズムとは、私たちはみんな地球人という意味です」前橋ゆかりの作品を紹介する収蔵展のタイトルについて、担当の新井陽子学芸員は説明してくれた。
展示はまず、身近な場所を描いた作品にはじまり、ひらめきを海外に求めた作家が続き、やがて詩的な空想世界の作品が広がる。「見る人によって、未知なる場所への好奇心をかきたてられることもあれば、自分の居場所を見つめ直す機会になることもあるようです」。新井学芸員は来場者の反応を興味深く受け止めている。

▲田中恒(恒夫)《農相(青)》 かつてのぐんまの風景には欠かせない「桑」。まるでその桑が野良着を着て立っているよう。着物部分に近づいて見ると、布が貼られ、模様に見えたのは地図記号であることがわかる。

▲福田貂太郎《南の祭り》 日中戦争に応召され中国大陸を転戦した福田は帰国後、油絵、挿絵、装丁、文芸とマルチに手掛けた。南というのはどこなのか、なんの祭りなのかわからないが、本展でも気になる作品として多くの来場者を惹きつけている。

▲南城一夫《描く人(自画像)》 メルヘンチックな絵画に多くのファンをもつ南城は、フランス留学から帰国後もアーツ前橋に面した馬場川通りにアトリエを構えた。この絵は、描くことに複雑な思いを抱えていた時期の作品で、じっと見ているとたくさんの発見がある。

▲正田壤《遠い花火》 正田らしい明るい画面構成で、入り口のガラス扉越しに見た子どもたちが近くで見たいと入館することも。見慣れた人物や動物が描かれているようで、実はリアルとは距離があり、ちょっと不穏な雰囲気も感じさせる。

このほか、池田政治、イケムラレイコ、狩野守、川隅路之助、近藤嘉男、清水刀根、髙橋武、髙橋常雄、武澤久、東宮不二夫、中村節也、深谷徹、森亮太といった前橋ゆかりの作品が、地球人である私たちを遠くへ、近くへと誘ってくれる。(画像:アーツ前橋提供、アーツ前橋蔵)

「境界線、そして交差する点へ ―アーツ前橋コレクションから考えるコスモポリタニズム―」

 

「境界線、そして交差する点へ ―アーツ前橋コレクションから考えるコスモポリタニズム―」
会  期:7月18日まで
開館時間:10時~18時(入場は17時30分まで)
会  場:アーツ前橋(前橋市千代田町5-1-16)
休   館:水曜日
観  覧:無料
出品作家:池田政治、イケムラレイコ、狩野守、川隅路之助、近藤嘉男、清水刀根、正田壤、髙橋武、髙橋常雄、武澤久、田中恒、東宮不二夫、中村節也、南城一夫、深谷徹、福田貂太郎、森亮太

問い合わせ 027-230-1144

「私たちはみんな地球人」 アーツ前橋 7月18日まで収蔵展

アーツ前橋

お問合せはこちら
027-230-1144
住所 前橋市千代田町5-1-16
営業時間 10時~18時(入場は17時30分まで)
定休日 水曜日