【癒しの森にようこそ－赤城自然園だより▶8】
春の妖精たち

春先に花を咲かせ、夏前には姿を消す植物のことを日本では「春の妖精」と呼ばれます。園内で見られるものだと、キクザキイチゲ、カタクリ、キバナカタクリ、アマナ、ニリンソウ、エンレイソウなど。

今回はその中から、カタクリをご紹介します。

カタクリは野山に群生する多年草です。下を向いて咲く様はとても可憐です。皆さんがよく耳にする片栗粉は、カタクリの地下茎から作られていました。その後、カタクリからは少量のデンプンしか作れないため、ジャガイモのデンプンに変わったそうです。

カタクリは、芽を出してから花をつけるまでに、なんと７年もかかります。開花まで長い年月がかかるのに対して、開花期間はおよそ１週間、短いですね。

カタクリは、どのようにして増えるのでしょうか。

実は、アリが種を運んで増えていきます。アリの目的は種についている「エライオソーム」というもので、アリはそれを取り除いた種を捨てるとか。花が終わって種になったら、皆さんもじっくり観察してはいかがでしょう。

例年ですと、カタクリが終わりを迎えるころには、キバナカタクリも咲きはじめます。

春本番を迎える赤城自然園へ、ぜひお出かけください。