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【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.34】「真昼の満月」

2024.04.03

【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.34】「真昼の満月」

数年前から、歩道と車道の間に設置されている、円筒のガードポールを真上から撮影している。歩いている時に、わざわざ真上から覗き込むことはない。(笑)ある時、偶然真上から見たら、ペンキが剥げているものや、新品のように光っているものがあって変化が面白い。多分、通行人のカバンとかが頻繁に当たる道に立っているガードポールほど、被害が大きいのだと思う。

今まで撮影してきて、1番面白かったのは、前橋の南町にあるガードポールだ。なんと、真上から撮影すると、満月に変身するのだ。ビックリした。こういうタイプは見たことがなかった。今のところ、これ以上の表情を見せるガードポールとは出逢わない。

真昼間でも、南町には満月がたくさん顔を出しているのだ。

 

Sakumi Hagiwara

萩原朔美(はぎわら・さくみ)

1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮。世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵されている。著書多数。多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長(現在は特別館長)。2022年4月から金沢美術工芸大客員教授、2023年7月から前橋市文化活動戦略顧問。