interview
聞きたい
【聞きたい 小林香菜選手▶1】
世界陸上への招待状届く
2025.05.05
運動音痴で体育が大嫌いだった女の子。中学で長距離を走る喜びに出会ったが、強豪高には進まず大学はサークルで走った。覚悟を決めて実業団の門をくぐり1年。努力は報われた。世界陸上選手権女子マラソンの代表切符が届いた。シンデレラは9月、東京を駆け抜ける-。
自分の走りで笑顔でゴール
――世界陸上女子マラソンの代表に選ばれました。どんな気分ですか。
すごくうれしいです。でも、まさか(実業団に入って)1年目で出られるとは正直、戸惑いもあります。
ただ、日本代表としての責任感はあります。いまのままではコテンパンにされてしまうでしょう。残りの時間、しっかり準備していきます。
――日の丸を着けてマラソンを走るのは実業団入りを決めたときからの夢?
そうですね。トラックは得意ではなく、マラソンをやろうと決めていました。
世界選手権やオリンピックに出場され、いまコーチをされている伊藤舞さんを育てた河野匡監督の人柄に魅かれて、ここ(大塚製薬陸上競技部)を選びました。
昨年4月に入社しときは「もう、無理」「きつくて、ついていけない」って感じでした。それでも、夏ごろからだんだん慣れてきました。
▲潮風を受けながらジョギングする小林選手=徳島県鳴門市
――自国開催ですから、応援や期待がすごいでしょうね。
たくさんの方に応援していただけるのかな。励みになるけど、プレッシャーも感じるでしょう。
――9月の東京は暑い。
きっと暑いでしょうね。実は暑さはあまり得意ではないんです。冬のレースの方が好き。まあ、そんなことは言っていられませんから、しっかり克服できるよう練習していきます。
――目標を教えてください。
順位とか、タイムとか、いまは大きなことは言えません。そこまで考えていないのが正直な心境です。
でも、せっかく代表に選んでいただいたのですから、そういうところ(入賞)を狙っていかなければいけないのでしょう。
――どんな走りをしたいですか。
とにかく、自分の走りをして笑顔でゴールしたいですね。見ている人に勇気を与えられたらうれしいいです。
▲世界陸上の抱負を語る小林選手
小林香菜(こばやし・かな)2001年、前橋市生まれ。前橋三中-早稲田大本庄高等学院-早稲田大法学部卒。大学では陸上サークルに所属、市民ランナーとして活躍する。2024年、大塚製薬陸上競技部に入部。防府読売マラソンで優勝する。


