interview
聞きたい
【聞きたい 小林香菜選手▶5】
シンデレラ物語 最終章はロス
2025.05.09

世界陸上選手権は9月に東京で開かれる。その先には3年後のロサンゼルス五輪がある。女子長距離界はパリ五輪に出場した樺沢和佳奈、学生長距離界をリードした不破聖衣来と同郷の有力選手が目白押し。五輪代表を「かかあ天下」が争う⁉
樺沢、不破との縁続く
――パリ五輪で女子5000㍍に出場した樺沢和佳奈選手は同じ前橋市出身ですね。
3歳先輩で、妹さんが私と同じ年。姉妹で仲良くさせてもらっています。
中学の時から「オリンピックに出る」と口にしていて有言実行しました。すごく意志の強い人。走りからも強さが伝わってきます。
――マラソン挑戦の可能性もありますね。
十分あると思います。憧れの先輩であり、勝負できるのは光栄なこと。トラックでは歯が立たないので負けないように頑張ります。

▲マラソン転向を狙っている樺沢選手
――不破聖衣来さんとは中学時代に重なっていましたね。
私が1歳上です。中学時代から活躍していましたね。1500㍍や3000㍍で戦い、勝てたのは1度だけでした。勝てない存在。強すぎました。
小柄なのにストライドの長い走りで、見ていてかっこいい、きれいだなと感じます。ピッチ走法の私とはまったく違いますね。
――2024年11月の東日本女子駅伝では不破さんのお姉さんと妹さんと群馬県チームで走りました。
聖衣来さんとも会いました。相変わらず明るく、話しかけてくれました。いつか3姉妹と一緒に走れたら楽しいだろうな。

▲中学時代に競い合った不破選手
――世界陸上後の未来予想図を描いてください。
ロサンゼルス五輪が開かれる2028年には27歳になります。それくらいが一般的にマラソンでは最も脂が乗る年齢と言われています。
それまでにたくさん練習して、いろいろな経験を積んでいきます。
ロスで最高の走りをして、思い切り気持ちよく引退して、第二の人生を歩めたらいいなと思います。
――最後に進路で悩んでいる中学生、高校生にエールをください。
陸上の強豪高校に進んで実業団に入っていたら、いまどうなっているか分からない。私は回り道をしたかもしれないけど、いまの自分がいるのは早稲田に行ったからでしょう。自分で決めた道なので覚悟を決めてやっています。自分の道は自分でしっかり考えるのが大事だと思います。

▲世界へ飛び出す小林選手
小林香菜(こばやし・かな)2001年、前橋市生まれ。前橋三中-早稲田大本庄高等学院-早稲田大法学部卒。大学では陸上サークルに所属、市民ランナーとして活躍する。2024年、大塚製薬陸上競技部に入部。防府読売マラソンで優勝する。



