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聞きたい

【聞きたい白川昌生×村田峰紀さん2▶︎】
「アートの街 マエバシ」を語る

2022.02.16

【聞きたい白川昌生×村田峰紀さん2▶︎】
「アートの街 マエバシ」を語る

ヨーロッパで美術や哲学を学び、地域の歴史や文化に基づいた表現を続ける白川昌生さん。身体感覚を研ぎ澄ませた圧倒的なパフォーマンスを繰り広げる村田峰紀さん。前橋市を拠点に創作活動にあたる親子ほど年の離れた2人が「前橋とアート」を語り合う。

白川「街中の空間はいいね」
村田「でっかい箱のようで」

―広瀬川と馬場川周辺の街中で昨年末、廃業した銭湯やレンガ倉庫、喫茶店などを舞台に、回遊型の展示イベントが開かれました。街全体が美術館のようでした。

白川 アーツ前橋ができる際、館内だけでなく街の中でもいろいろやろうと企画したプログラムがありました。アーツ前橋の外でいろいろやって、アーツの存在を認知してもらおうと。それが継続されているわけです。

村田 アーツ前橋ができる前からも街中でパフォーマンスをしていましたよ。弁天通りでやっていました。のぼり旗を作ったり、でかい鉄の彫刻をごろごろ動かしたり。

白川 弁天通りでぼくたちが続けている「木馬祭り」は国定忠治と萩原朔太郎をくっつけて話を書いたんです。馬にちなんだ祭りが他になかったので。商店街の人たちが協力してくれています。バラ園祭りのローズクイーンのパレードなんかも勝手にやっていましたよ。

村田 いろいろやってきましたね。ポールダンスをしたり。オリオン通りでも随分とパフォーマンスをしましたね。自分が高校生くらいまでは映画館もあってにぎやかだったけど、さびれてしまった。その差違は何か考えてみたくて。

白川 街中の空間はいいね。人が生活している歴史的な場所でアートをするとどうなるか。作品を展示したり、イベントを考えるのはおもしろい。別に「街おこし」のためになんて考えていないけど。

村田 そうですね、考えませんね。街おこしには興味ありません。パフォーマンスは外でやるのが普通なので。アーケード街はでっかい箱のようで興奮しますね。

しらかわ・よしお 1948年、福岡県生まれ。

しらかわ・よしお

1970年にヨーロッパに渡り、国立デュッセルドルフ美術大学を卒業。89年から北関東造形美術専門学校で指導するのをきっかけに前橋市に拠点を構えている。

むらた・みねき 1979年、前橋市生まれ。多摩美術大卒。

むらた・みねき

一心不乱に身体を動かすパフォーマンスに加え、ドローイングやインスタレーション、映像作品を発表。音楽を融合したイベントも開いている。