天賑（てんしん）
街の町中華は旨くて大盛り

　時計の針が12時を回ると、すぐに満員御礼になる前橋市中心街の人気店。開店して65年になります。

　麺類、それも名物のラージャンメンか自慢の揚焼ソバしか食べたことがなく、気になっていた人気の肉丼をセットで頼んでみました。

　やっちゃいました。大盛りの丼と大盛りのラーメン。単品の150円増しでセットになるので、半ラーメンかと思っていたらしっかり１人前。しかもこの店の１人前。セットを注文する人が多くて、つい…。

　まずはラーメンから攻めましょう。スープを一口。あ、熱っ。脂がスープの表面を覆っていて、危険なほどの熱さです。でも、旨い、このスープ。ショウガやニンニクが香り、こってりしているのにあっさり。懐かし系でもあり、現代風でもあります。

　麺はラージャンメンの平打ち中太とは違って中細の縮れ。醤油ラーメンによく合います。

　３分の２ほど平らげたら肉丼へ。しかし、半端ない肉の量です。ご飯もぎっしり。

　豚バラ肉は甘辛に味付けられ、ご飯が進みます。やや甘めの味をネギやカイワレ、紅ショウガやカラシが中和してくれます。カラシはこのためでしたか。

　ラーメンスープはまだ熱々。肉とご飯を口に入れ、スープで流し込む作戦に出ます。苦しいけど、こんな旨いのを残せません。フードファイターになった気になって、何とか完食しました。

　２代目の大磯光広さんの手が一段落したところで、　美味しいスープについて聞いてみました。「鶏ガラ、豚骨に牛骨も入れる。甘みが出るからね」と惜しげもなく秘訣を教えてくれました。「スープは生きている。作り始めと夕方で変わってくるから難しいね」と話す大磯さん。スープ作りは朝６時から始めるそうです。