福州飯店
町中華時代の看板ラーメン

　ディナーのコースは秀逸で、ランチのセットでも本格中国料理を堪能できます。気が付いてみたら、何度も来ている店なのに一度もラーメンを頼んだことがありませんでした。

　ということで、いただいたのが店名を付けた「福州麺」をいただきました。どんなラーメンだろう。

　やってきましたのは白髪ネギと細切りのチャーシューをゴマ油や豆板醤で和えたものが乗っています。某チェーン店でよく見かけます。

　まずはスープを一口。トッピングからではなく、スープ自体も辛口に仕上げ、酸味も効いています。それでいて、出汁の旨みをじっくり感じられる。本格中国料理を看板に掲げる店の矜持を感じますね。

　麺は縮れのある中太。もっちりして、好きなタイプです。味のしっかりしたラーメンに合います。

　トッピングにはネギとチャーシューに加え、ザーサイの細切りも入っていました。この一工夫が味に奥行きを与えてくれます。

　麺と一緒に食べると、さまざまな旨味と食感が重なり、ますます美味しくなります。最後は酢を投入、酸味を強くして味変します。

　単品もありますが、お得なセットにしました。春巻きと杏仁豆腐が付いてきます。春巻きは皮がパリッとして、餡がしっとり。辛い料理の後の杏仁豆腐はお腹がほっとしますね。

　福州飯店は1947年、「福州軒」の名で前橋市中心街に店を開き、庶民的な町中華の店として親しまれていました。35年ほど前に移転とともに現在の店名に改め、業態も変えました。

　古くからいる職人さんの話によると、福州麺は福州軒時代からあったそうです。中国にルーツを持つ創業者の思いのこもった一杯なのかもしれません。